ヤギナタ 講評

ヤギナタ



もっとがんばったほうが良いで賞
『ヤギナタ』メカと渓谷(新潟県・21歳)



審査委員長 まろんあるふぁ先生(月刊クロスワード・パズル増刊号にて『セキララ忍者 あけみ』を自主掲載中)による講評

 

アッハッハッハ。やっぱりGANTZは面白いな~。
ん゛ん゛んっ!!んっ!!!!すいません、ヤギナタですね。
ヤギナタという架空の競技についての話と思いきや、メインキャラクター2人の会話を中心にお話が進んでいく構成となっていて、特に山場も設けられていなかったのですが、こう、なんかヌルっと読めましたね。

まず絵について、冒頭の描写はスポーツ漫画となるといまいち迫力に欠けてしまいますが、その後の展開の緩さ的には合っていたのではないかと思います。個人的にはもう少し試合の様子が見たかったです。
あとは人物の絵柄が不安定なのでしっかりとキャラクターを作ったうえで描きましょう。人物の目について、面白い描かれ方をしていますね。人と話すときには大体目を見て話すように、目は特に表情、感情を読むうえでは重要なパーツとなっています。あえて黒目を入れないようにしているのかもしれないのですが、やはり表情の幅を広げるためにももう少し工夫をしてみてもいいのではないかと思います。

この話にはヤギ、ヒツジ、ウナギなどの動物も描かれていますが、動物の描写は良いですね。あと、これは動物に関しても言えるのですが、絵の動きが固いので自然な動きを表現できるともっと良い漫画になるのではないでしょうか。

ヤギナタp2

p2 よくわかんないし躍動感もないシーン


ストーリーについて、現実とは少しずれた世界での日常が描かれていていますが、この「ずらし方」が面白い思いました。ヤギナタというよくわからない競技が出てきて、登場人物が当たり前のようにヤギ乳を飲んでいる。この時点でかなりおかしいのですが、なぜかそれはそういうものとして認識させられてしまいます。会話の作り方がしっかりしているのでしょう。会話がしっかりしているで賞をあげたいと思います。

この漫画から読み取れる、現実離れした要素であったり、話のカギとなっている事件について、おそらく描かれてない設定があると思います。そこをもっと掘り下げてみてはいかがでしょうか。あとは、今のままでも想像でそれらの設定を補完できなくはないのですが、やや読み手に頼りすぎている、解釈をぶん投げているような印象を受けました。

また、作品のテーマについても青春、スポーツ、日常、SFなどの要素が散らばっていて大事な部分が霞んでしまっています。何を一番描きたいのか、伝えたいのかという点をもう一度よく考えながら整理してみると良いでしょう。
もう一度よく考えながら整理してみると良いで賞をあげます。

最後にひとつだけ言わせてください。














漫画をなめるな。